新学社の付録で夏休みの宿題をサポート

 

        1・2年生               3〜6年生

          ↓                   ↓

     「えにっきのかきかた」         「読書感想文の書き方」

               

 

サマー16付録

「えにっきのかきかた」(1・2年用)

                             

  教材の目的

 夏休みの宿題として定番の「絵日記」。いろんなことをやったけれども、いざ書こうとすると何から書いていいかわからない。真っ白な紙を前に鉛筆がぴたりと止まってしまう。そんな児童のための書くきっかけとなるものとして作りました。

  「型」から始める作文

 何事も初めから「自由に」させることはあまりないのではないでしょうか。ピアノやサッカー、書道など…最初はお手本を習って習得し、基本ができたところで自分なりのやり方を模索していきます。作文も例外ではありません。作文全体の構成、構成ごとの内容、原稿用紙の書き方…さまざまな基本を習得してこそ、自由な作文が書けるようになるのです。
 また、フィンランド・メソッドでも表現の「型」を提示し、子どもに活用させるという指導方法がとられています。

フィンランド・メソッドとは

 PISA調査(OECDが行っている国際的な学力調査)により、日本の児童・生徒の「読解力」が下降傾向にあると分かりました。(平成18年)
                      *日本の児童・生徒は、白紙(無答)も多かった。

 フィンランドの学力が非常に高かったため、フィンランドで行われている教育方法に注目が集まりました。これが「フィンランド・メソッド」です。
 「フィンランド・メソッド」では、文章を書くときの「型」を学ぶことを重視します。教育学者・河野庸介氏も著書の中で以下のように述べています。

 自己紹介でも意見文でも、そして物語でも、基本となる型があれば、あとはその型に対応して自分なりに表現していけば良いのです。また、書いた作文を推敲する時にも、この型に沿っているかどうかについて確認しながら推敲することになるので、とても簡単に、しかも確実に書き直すことができるようになります。
 フィンランドでは、このような「型」をしっかりと身に付けさせることが作文指導の導入時のねらいになっているようです。
              (河野庸介著『「フィンランド・メソッド」で我が子の学力を伸ばす』より)

 作文が得意な児童は、「型」を提示しなくても書くことができるでしょう。しかし、どの児童も、一定の水準で書くことができるようにすることが、学校現場の役割です。
 そのために「型」を学ぶことの大切さが、学校現場でも認知されてきています。

●新学社の「えにっきのかきかた」で学べる「型」

 文章の「型」

  @ 何をしたのか

  A どんな理由でどんな気持ちになったのか

 という出来事を伝えるために重要な内容をピックアップし、それらを結びつけることによって、絵日記の内容を考えることができる仕組みになっています。特に感じたことと、その理由について述べることは日記以外でも活用できる基本的な感想を表現する形です。

 絵の「型」

 絵をかくとき、一つの出来事の中にもたくさんの場面があり、何を・どこまでかいたらよいのか戸惑ってしまう場合があります。新学社の「えにっきのかきかた」では、まず気持ちが動いた場面を思い出させ、その周りの様子を、順を追って思い出して絵にかく仕組みになっていますので、どこの場面をかけばよいのかが明確になります。

 

 

サマー16・32・夏のだいぼうけん!付録

「読書感想文の書き方」(3〜6年用)

                             

  教材の目的

 夏休みの宿題として定番の「絵日記」「読書感想文」。本は読めるけれども、いざ書こうとすると何から書いていいかわからない。真っ白な原稿用紙を前に鉛筆がぴたりと止まってしまう。そんな児童のための書くきっかけとなるものとして作りました。

  「読書感想文」とは何か

読書感想文は、「書評」や「ブックガイド」とは何が違うのでしょうか。

 これまでの自分の人生が、本に感動することによって、変化(=成長)することがあります。その経験を文章にまとめることが、読書感想文の本質といえます。

●うまく書けていない読書感想文のパターン

 ・本のあらすじをだらだらと書いている。

 ・「おもしろかった」「かわいそうだった」で終わっている。

   ⇒何が足りないのでしょうか?

 本と、自分の経験を結びつけて書く。

 という書き方を学ぶことが大切です。

  「型」から始める作文

 何事も初めから「自由に」させることはあまりないのではないでしょうか。ピアノやサッカー、書道など…最初はお手本を習って習得し、基本ができたところで自分なりのやり方を模索していきます。作文も例外ではありません。作文全体の構成、構成ごとの内容、原稿用紙の書き方…さまざまな基本を習得してこそ、自由な作文が書けるようになるのです。
 また、フィンランド・メソッドでも表現の「型」を提示し、子どもに活用させるという指導方法がとられています。

フィンランド・メソッドとは

 PISA調査(OECDが行っている国際的な学力調査)により、日本の児童・生徒の「読解力」が下降傾向にあると分かりました。(平成18年)
                      *日本の児童・生徒は、白紙(無答)も多かった。

 フィンランドの学力が非常に高かったため、フィンランドで行われている教育方法に注目が集まりました。これが「フィンランド・メソッド」です。
 「フィンランド・メソッド」では、文章を書くときの「型」を学ぶことを重視します。教育学者・河野庸介氏も著書の中で以下のように述べています。

 自己紹介でも意見文でも、そして物語でも、基本となる型があれば、あとはその型に対応して自分なりに表現していけば良いのです。また、書いた作文を推敲する時にも、この型に沿っているかどうかについて確認しながら推敲することになるので、とても簡単に、しかも確実に書き直すことができるようになります。
 フィンランドでは、このような「型」をしっかりと身に付けさせることが作文指導の導入時のねらいになっているようです。
              (河野庸介著『「フィンランド・メソッド」で我が子の学力を伸ばす』より)

 作文が得意な児童は、「型」を提示しなくても書くことができるでしょう。しかし、どの児童も、一定の水準で書くことができるようにすることが、学校現場の役割です。
 そのために「型」を学ぶことの大切さが、学校現場でも認知されてきています。

●新学社の「読書感想文の書き方」で学べる3つの「型」

 構成の「型」

  @ どんな本を読んだのか

  A 本のどんなところに感動し、その本と共通するどんな体験をしたのか

  B 自分はどのように成長したのか

 この3点を、ワークシートの中で意識できるようにし、それらを結びつけることによって、読書感想文の構想を立てることができるという仕組みになっています。仕組みに沿って読書感想文全体の構想を立てることで、全体の見通しをもった内容を考えることができます。結論に向かうまでの道筋を考えていくことは、理論だった思考の育成にもつながります。

 文章の「型」

 構成ごとの文章の「型」をとらえることで、書く内容を詰めていくことができ、また、起きたこと、感じた・考えたこと、その理由を意識することのできる仕組みとなっています。前に挙げたうまく書けていない読書感想文のパターンを考えると

 ・本のあらすじをだらだらと書いている。→本の要点がとらえられていない

 ・「おもしろかった」「かわいそうだった」で終わっている。→感想を深められていない

本の要約をしたり、なぜそう思ったのかを考えたりすることが必要です。

 原稿用紙の「型」

 よい内容の作文を書くことができても、原稿用紙に書くときに間違いだらけではもったいない!お手本を見ながら書き方を学ぶことで、より具体的に書き方に注意して書くことができます。



 

●当教材を使って研究をされた先生から

 桐山聰先生(鳥取大学大学教育支援機構教育センター准教授)

 児童による読書感想文の書き方にテンプレートを活用するメリットについて、プロジェクト・マネジメントを研究する立場から、感想文の書き手と読み手との「協働」に着目し考えてみます。プロジェクト・マネジメントとは、今までに無いような難しい問題を解決し成果を得るために、様々な分野の専門家たちを集め、チームとして束ねる技術です。

 読書感想文の良し悪しを判断しようとする際、私たちは文章の簡潔さや着想など幾つかの視点を定め、それぞれに判断の物差しを当てています。ここでは、視点と判断の物差しを合わせて「キジュン」と呼ぶことにします。通常、キジュンは人によって異なるため、読み手からのアドバイスが書き手にうまく伝わらない一因になります。しかし、仮に読書感想文の書き手と読み手とが同じキジュンを持っている、つまり「共有」しているとしたらどうでしょうか。

 新学社の読書感想文のワークシートを見てみましょう。記入欄の横に書かれている「だれが」「どうした」といったものが、実はキジュンになっています。キジュンが明記されているため、書き手である児童と読み手はキジュンを共有することになります。読み手は、自らもキジュンを当てはめて本を読解するため、少なくとも次の二つについて簡単に知ることができます。

(1)児童は本の内容のどこに注目したのか?

(2)児童の解釈はどのくらい深いのか?

 これは、児童ごとに異なる内面が、一つの側面に限られるとはいえ、他人と比較できる形に「可視化」されたことに他なりません。実社会のプロジェクトにおいても、言い表すことが難しい経験的な知恵を、テンプレートや決められた手順などの「型」を仲立ちとして可視化することが、プロジェクト・マネジメント・ツール群(1)によって行われています。プロジェクト・マネジメントは可視化と共有を重視します。なぜなら、それらがプロジェクトに関わる多様な人々の間のコミュニケーションをスムーズにして、より良い成果につながる協働を生むからです。

 今日の教育の場では、アクティブ・ラーニングなど、児童たちが互いに学びあう方法が流行っています。人との会話が苦手な児童には合わないかもしれません。しかし、例えば児童たちが新学社のワークシートを使って課題図書の読書感想文を書き、それを互いに見せあう機会をつくるとしましょう。記入欄の中のフレーズを読み比べることによって、ある児童は自分自身と他の児童との間に読解の違い、つまり「ものの見方と考え方の違い」があることを知ります。保護者や教師などの第三者も、児童たちの違いを客観的に見ることができます。このことは、児童と児童、児童と教師との間に新しい協働的な学びを実現すると考えられます。

(1)Milošević D, Project Management I. プロジェクトマネジメント・ツールボックス. 鹿島出版会, 2007.

 矢部玲子先生(北海道文教大学外国語学部国際言語学科講師)

 「作文の書き方がわからない」と悩む児童は多いことでしょう。中でも読書感想文は、全児童が書くとも言えるものです。長年国語教育に携わってきた立場から、この読書感想文を入口として、「型」を意識するという新しい文章作成法について少々述べようと思います。

 文章の「型」を指導するという記述は、現行の小学校国語科学習指導要領「2.書くこと」には見当たりません。これは,1900(明治33)年の小学校令改正時に開始された綴り方教育の影響によるものです。「手本通りに書く」伝達技術重視への反省から、「あるがままに思いを書く(随意選題・自由記述)」という表現意欲重視に転換し、教育現場の大きな支持を得ました。以来百十余年、作文教育の伝統となって現在に至ります(1)

 新学社が開発した、小学校中・高学年向け読書感想文ワークシート(2012)は、「だれ」、「どのような(に)」、「どうした」など5W1Hを空欄に当てはめて下書きする方法を取っています。これに対して、「型にはめるやり方では皆同じような文章になり個性が伸びない」という意見が寄せられたそうです。本当にそうなのでしょうか。

 日米仏の初等教育の比較から、「型」に合わせた多様な書き方を指導することの重要性を主張する研究があります(2)。それによると、上記指導の結果、日本の児童の作文は、「起こったことをありのまま書いて時系列で気持ちの変化をたどる」という、「時系列型」の似通った形式になる、これは、書く技術よりも生活指導を目指した、生活綴り方指導の結果だ、ということです。遠足等行事作文や読書感想文等がこれに当たるそうです。そして、「『自由』を重視している方が結果的に『規範 』にとらわれ、『規範』を重視している方が結果的に『自由』な多様性を生む」と指摘しています。さらに、日本式指導の通りに作成した文章が、留学先のアメリカで全く評価されなかったという事例から、作文指導で「型」を意識させることの重要性を主張しています。

 現在、日本の84%の大学では、文章作成支援の科目が開設されています。筆者も担当していますが、リメディアル教育の名の下に、論文、ビジネス文書、私信、自伝、インタビュー、本の紹介等、実社会で使用する文章の型を数多く指導しています。アメリカでは、これらは小学校から指導されている文章の型だそうです。日本の作文指導が持つ100年以上の伝統と、小中高一貫した方法論と尊重しつつ、「型」を意識する方法に注目することも、グローバル社会の今、必要なのではないでしょうか。

(1)斎藤美奈子,2002,『文章読本さん江』,筑摩書房,134-206

(2)渡辺雅子,2006,「日米仏の思考表現スタイルを比較する──3か国の言語教育を読み解く──」『READ No.6』,ベネッセ教育研究所開発センター,21-26