―― ゆかりある各界172名により描き出される文人 保田與重郎の風貌 ―― 保田與重郎生誕100年記念出版 私の保田與重郎

 日本浪曼派を率いて戦前の青年層に多大な影響を与え、戦後も一切志を変えることなく孤高の道を歩んだ、文芸評論家・保田與重郎。
  本書は既刊の保田與重郎全集や保田與重郎文庫などの月報・解説を集成、ゆかりある総勢172名の多彩なエッセイにより、いまだ謎めいたその人となりをあざやかに浮き彫りにする待望の一冊。保田夫人の回想記も収録。
  時に本居宣長の再来とも称される稀代の文人・保田與重郎の魅力を知るための、格好の書。

執筆者(一部)

檀一雄 田中克己 萩原葉子 神保光太郎 五味康祐 谷崎昭男 村上一郎 棟方志功  中谷孝雄 須田剋太 樋口清之 桶谷秀昭 寺田英視 松本健一 川村二郎 浅野晃 井上義夫 磯田光一 塚本邦雄 野田又夫 岡野弘彦 高橋義孝 幡掛正浩 伊藤桂一 小島千加子 川村湊 世耕政隆 麿赤児 真鍋呉夫 長部日出雄 高橋英夫 ヴルピッタ・ロマノ 杉本秀太郎 饗庭孝男 中河與一 林富士馬 清水文雄 亀和田武 道浦母都子 野口武彦 保田仁一郎 渡部昇一 平澤興 佐伯裕子 山川京子 山城むつみ 久世光彦 新保祐司 前川佐重郎 坪内祐三 佐伯彰一 富岡幸一郎 保田典子  ほか

内容紹介(一部抜粋)

 昭和二十八年芥川賞をうけたとき、自分は日本浪曼派の落し子であると私は言った。保田與重郎氏に私淑してきたとも書いた。これを載せる雑誌の編輯子が「五味さん、こんなこと書いたらあなた損ですよ、にくまれますよ」真顔で忠告(?)してくれたのをおぼえている。ちっとも構わない、事実をげるわけにはゆかないでしょうと私は笑った。
―― 五味康祐(作家)

 ドウイフ理由ワケカ解ラナイケレドモ保田與重郎氏ヲオモフト――ヲ感ジルノデス。ナンダカ()()()()()()()、サウナツテ来ルンデス。タヒラ一族中ノ若公達、敦盛公ガ愛持、シタトイフコノ名笛ト、保田與重郎氏トハ事デ言ヘバ、何モ関連ガアリマセンモノヲ、サウ想ヒ合ハセル事ガ、オカシイデセウ、ケレドモ、ワタクシニハ、ホンタウニ必然デスカラ、マタ絶対ニ大事ナ―想ヒ―デスカラ仕方アリマセンデス。
―― 棟方志功(板画家)

 汽車が動き出すと自分も一緒について走りながら見送つてくれた姿を未だに覚えてゐる。私は一人列車にゆられ乍らこの数日のさまざまの事柄を思ひ浮べてお礼の手紙を書き出した。そのうちに列車のひびきのリズムにだんだん胸が一杯になり泪がポタポタと落ちてきた。茫とした気持で列車が京都駅へ着いた時全く思ひがけなく、列車内宛の保田からの電報を受取つた。「カヘリハソラモクモツテル』ヨ」と。読んだ瞬間私はじーんと心に沁みてゆくものを感じた。そしてあとからあとから泪があふれて来るのだつた。
―― 保田典子(歌人)

本書は、
南北社『保田與重郎著作集』
講談社『保田與重郎選集』
講談社『保田與重郎全集』
新学社『保田與重郎文庫』
の月報・解説を集成したものです。


四六判上製/660頁/4色カバー装
定価 4,320円(税込)
ISBN978-4-7868-0185-3

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